レポート/2010年3日目

ボランティア記録チームによる第4回エコビレッジ国際会議TOKYOの各プログラムのレポートをまとめました。ぜひご覧ください。

【国内事例】千葉鴨川 大山千枚田保存会から発信する地域活性化活動の軌跡と今後の展望 石田三示(衆議院議員、元大山千枚田保存会代表)/鴨川自然王国から見えて来た未来 加藤登紀子(歌手)

東京から一番近い棚田、大山千枚田は、トラスト制やオーナー制で米づくりをする「棚田トラスト」の成功で名前を知られるようになりました。その運営をしている大山千枚田保存会で代表理事を務めていた石田三示氏は、都市と農村をつなぐ活動を続け、昨年民主党から出馬して衆議院議員に。その石田氏に影響を与えた藤本敏夫氏がつくった鴨川自然王国は、今年で45周年を迎えます。里山帰農塾を主催して、都市と農村を顔の見える信頼関係によって命をつないでいく活動をしていますが、帰農塾では最近、若い人の参加も増え、中高年の人と世代間交流にもなっています。21世紀は農と環境の時代で、ライフスタイルや価値観を変換し、自分達で未来をつくっていくことが大事です。藤本氏は2002年になくなりましたが、彼の後を引き継いだ妻の加藤登紀子氏は、藤本氏による言葉「ユートピアをつくるつもりなく、ここには自然のパラダイスがあるだけ」を胸に秘めて、「夢がそのままライフスタイルになる“スマイル革命”をこれからも続けていきたい」と熱く語っていました。

ライターから一言

加藤登紀子氏のトークがおもしろかったです。実は、鴨川には移りたくなくて離婚も考えたこともあるとか、夫婦は決裂してもいいとか、音楽も自給するエコライフをとか・・個人的な話も聞けてよかったです。

キーワード

夢をそのままライフスタイルに転換

基礎データ

活動主体 名前:大山千枚田保存会
形態:NPO、NGO
名前:鴨川自然王国形態
形態:農事組合法人
設立 大山千枚田保存会
設立 地域住民
時期:1999年
鴨川自然王国
設立者:藤本敏夫
時期:1981年
活動拠点 ・農村
・広域(2地域以上・都市農村交流)
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・実践中
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) ・またがる地域:千葉県鴨川市から都市へ向けての発信
テーマ ・半農半X
・農村での取り組み
・都市農村交流と地域再生
・地域づくり
・遠隔地を含んだネットワーク
・教育(大人対象)
・その他(農村回帰と移住支援)

【はじめよう】アジアで繋がるトランジション・タウン ペネロペ・レイエス(GENOA代表)、榎本英剛(トランジションジャパン共同創設者)、吉田俊郎(トランジションジャパン共同創設者)

「トランジション・タウン」はイギリス生まれのムーブメントで、気候変動と石油がなくなった後の暮らしに備えて、地域の人とつながりながら楽しく暮らそうと呼びかけています。フィリピンのヌエバエシハ州カビアオで「ピンティグカビアオエコビレッジ」の設立に携わるペネロペ・レイエス氏は、建設中のエコビレッジの近くに住みながらトランジション活動を進めていて、地元の有機農家とつながるなど、持続可能な暮らしへのシフトに取り組んでいます。またエコビレッジの敷地には竹の家を建て始めていて、着実にコミュニティを築いている様子が伝わってきました。日本からは、榎本英剛氏がトランジション藤野、吉田俊郞氏がトランジション葉山の様子を紹介。2団体とも同じ時期に活動が始まり、この1年で深く繋がり、活動が広がっているそうです。 住んでいる地域がどんどんよくなっていくのは、とてもやりがいがあるなと思いました。

ライターから一言

藤野と葉山では地域通貨が始まり、それぞれ70世帯くらいが参加しているそうです。どちらも面白そう!

基礎データ

活動主体 名前:NPO法人トランジションジャパン
形態:NPO、NGO/任意団体
設立 設立者:榎本英剛、吉田俊郎他パーマカルチャーの仲間たち
時期:2008年
場所:神奈川県相模原市旧藤野町を中心に
活動拠点 ・都市
・農村
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・実践中
テーマ ・低炭素への取り組み
・代替エネルギー
・パーマカルチャー
・半農半X
・繋がり、地産地消
・地域づくり

【都市の再生成】まちを蘇らせるリファイン建築 青木 茂(首都大学東京教授、青木茂建築工房主宰)

青木茂氏がリファイン建築(再生建築)を始めたきっかけは、北イタリアの古城をみて感動したこと。以降20年以上に渡って45軒の建て替えに取り組んできました。日本は木造建築の文化が長いため、建物は30年~40年で建て直さなくてはならないという固定観念があって、コンクリート建造物も30年で取り壊されていますが、実は、強度的に壊さなければいけないものは1%程度!ほとんどの建物は壊す必要がないのだそうです。コンクリート建造物を全部解体すると環境負荷が甚大。その点、部分解体ですむリファイン建築は廃材の輸送にかかるCO2の排出量や廃棄物を削減できることから、環境配慮型建築方法として注目が集まっています。費用も新築の7割と安くなるそうなのですが、手間と高度な技術が必要となるため日本ではまだ広がっていないそうです。高度経済成長期に建てられた建造物の建て直しが検討され始めている日本で、今求められている技術だと強く感じました。

ライターから一言

ものすごく参考になりました。勤務先の建替もぜひ青木先生にお願いしたいと思いました。

キーワード

ストック活用、リファイン

基礎データ

活動主体 名前:青木茂建築工房
形態:設計事務所
活動拠点 ・都市
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・実践中
・解決法の提案がある
・ノウハウの提示
テーマ ・低炭素への取り組み
・都市計画
・個人の住まい(建築設計のプロの取り組み)

【はじめよう】 半農半Xとエコビレッジ ~自然農XマクロビX転職の観点から~ 塩見直紀(半農半X研究所代表)

内村鑑三氏が33歳のときに記した「後世への最大遺物」の「われわれは何をこの世に残していこうか、金か、事業か、思想か」という言葉に深い感銘を受け、33歳で大阪での仕事を辞め、郷里の綾部で再出発をした塩見氏。「半農半X」は小さな農のある暮らしをしながら、大好きなことを仕事にする生き方。1995年に生まれたこの言葉は、2006年の台湾を皮切りに、中国、韓国、シンガポール、オーストラリアと世界に広まっています。半農半Xのためにはまず、自分のフィールドとなる場所を見極めること、そして、得意なこと、テーマ、気になることの3つの掛け算で自分らしさを作ることが大切さだと強調されていました。そして、Xを見つけるために、1万時間を積んでほしいとのメッセージがありました。また、周りの人たち達のXをサポートすることで、自分を伸ばすのもひとつの方法、というアドバイスも。最初の一歩を踏み出すのに、背中を押していただいたような気持ちになりました!

ライターから一言

塩見氏は詩人のようで、パワーのある言葉をたくさんいただきました。

キーワード

場所性、天職、誌と田、た・ね、自分キーワード、一万時間

基礎データ

活動主体 名前:塩見直紀(半農半X研究所)
形態:個人
設立 設立者:塩見直紀
時期:2000年
場所:京都府綾部市
活動拠点 ・農村
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・実践中
・解決法の提案がある
・ノウハウの提示ができている
・未来ビジョンの提起がある
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) またがる地域:京都府綾部市
テーマ ・農村計画
・半農半X
・農村での取り組み
・持続可能な仕事の創造
・繋がり、地産地消
・その他(天職(X)の創造)

【海外事例】スウェーデンナチュラルステップとエコ自治体 草島進一(ナチュラルステップジャパン)、鎌仲ひとみ(映画監督)

「ナチュラルステップ」は、持続可能な社会づくりに向けてのフレームワークを明確に定義しながら、システム思考的な環境教育を提供しているスウェーデンのNGO。スウェーデンの地域自立型自然エネルギー推進の原動力となっています。その考え方を日本で広げているのが、ナチュラルステップジャパンの草島氏。一方、鎌仲氏が監督を務める映画『ミツバチの羽音と地球の回転』では、日本で原発が建てられようとしている瀬戸内の小さな島、祝島の人々の暮らしと闘いの様子と、環境先進国スウェーデンの事情が、図柄の裏表のように描かれているそうです。持続可能な社会へのビジョンも戦略も持たず原発を建て続けることは、地域の人々の伝統的な暮らしを破壊し、地域の生物多様性も破壊してしまいます。その地域のエネルギー問題ではなく、私たちみんなにとっての仕事、暮らし、社会のありかたが改めて問われていることを感じました。

ライターから一言

とにかく映画を観ないことには始まらない!と感じました

キーワード

システム条件、バックキャスティング、地方自立型エネルギー

基礎データ

活動主体 名前:ナチュラルステップ
形態:NPO、NGO
設立 設立者:小児癌の専門医カール・ヘンリク=ロベール博士
時期:1989年
場所:スウェーデン
活動拠点 ・スウェーデン、日本、その他
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・未来ビジョンの提起がある
テーマ ・低炭素への取り組み
・代替エネルギー
・持続可能な仕事の創造
・地域づくり
・地域での取り組み
・教育(大人対象)

【パネルディスカッション】ゼロからはじめるエコビレッジづくり 糸長浩司(パーマカルチャー・センター・ジャパン代表理事)、古田偉佐美(木の花ファミリー創設者)、山田貴宏(ビオフォルム環境デザイン室代表、里山長家暮らし)、曽根原久司(NPO法人えがおつなげて代表理事)、近山恵子((社)コミュニティネットワーク協会理事)、木村真樹(NPO法人コミュニティユースバンクmomo代表)、浜口孝(生涯現役・里山市民)

田舎での「エコビレッジ」づくりに取り組んできた方達が、自分たちの経験を元にいろんな知恵や極意を語ってくれました。都会から地方へ移住しての集団生活では、自給暮らしが共通の大きなテーマになっていましたが、特に、五島列島の過疎の村での取り組みを続けている濱口氏の最初の動機、「自分の自給率をあげる」に共感するものがありました。これは都市にいてはなかなか実現できません。そして「五島には豊かな休耕地がたくさんある。どんどんやって」という呼びかけは、田舎での取り組みを始めた知人たちの状況とも合致していました。今の日本の田舎が抱えている共通の問題。そういった、人が足らなくて外から来た人に「どんどんやってほしい」場所に人を送り込むことが大事だとあらためて思いました。エコビレッジやコミュニティづくりは、最初からバッチリ計画を立てて進めるのではなく、その後の流れに任せることが必要だとも思いました。

ライターから一言

「エコビレッジづくり」と「田舎暮らし」の区別についてもう少し聞きたかったです

【パネルディスカッション】地球とつながるリローカライゼーションに向けて タムラ・トミアキ(アルコサンティプロジェクト&ソレリアーカイブディレクター)、ビンドゥ・モハンティ(オーロビル財団教育ディレクター)、李京生(同済大学教授)、 糸長浩司(パーマカルチャジャパン代表理事)、曽根原久司(NPO法人えがおつなげて代表理事)、古田偉佐美(木の花ファミリー創設者)、山田貴宏(ビオフォルム環境デザイン室代表、里山長家暮らし)、シキタ純(BeGood Cafe代表理事)

地域やコミュニティから人が離れてしまった今、再び地域にフォーカスしていくために何ができるのかについて話し合った最後のグランドディスカッション。
「小さな循環型の共同体がいくつもできた結果、点が面になって地域全体がエコビレッジになっていくという方が楽に進められる」(山田)。「リローカリゼーションは持続可能な地域づくりだと思っている。仕事、コミュニティ、新しい生き方・生きる技術の教育の3つがあると達成できると思う」(曽根原)。グローバリゼーションとリローカリゼーションの対比については、「人類の営みが地球から見たらどう見えるかを考える必要がある。今は伝統に戻るのではなく、グローバリゼーションのいいところと伝統的な暮らしのよいところを組み合わせて、進化していけばいい」(古田)という意見も出ました。
その中でビンドゥ氏が地球の写真を見せながら、「宇宙という視点から見れば地球もひとつのローカルとして考えられる。私たちの子どもや孫の世代は、まずはグローバルな市民として生き、その中でそれぞれの国があるという感覚になるのではないか? エコビレッジは地域を自然環境と生態系から捉え、水源や自然資源など命をつないでいくものをコントロールできるようにならないといけない。そういう意味では、あらゆるコミュニティがローカライズしないといけないと思う」と話されていて、深い共感を覚えました。エコビレッジの根本を伝える言葉ではないでしょうか?

最後に今後のエコビレッジ国際会議について、パネラーと客席から意見が出されました。「議論はつくされてきたので、実際どうしたらいいのか、どう住んでいるのかなど、参加者の声を引き出す機会を増やしたらどうか」「誰でも参加できる円卓会議」「それぞれの活動が緩やかにつながる場所に」など、意識の高まりの中で、参加者からの意見や実践例をもっと引き出し、活発に交流を深めていこうという意見が多く出されました。
第4回を向かえ、実践者も増えてきたエコビレッジ。これからはさまざまなアプローチをしている人、そしていろんな段階にある人達が、暮らしの中でつながり合い、一緒に次のステップへ進んで行く時期がやってきたようです。

311【学ぼう】 NPOバンクによるエコビレッジ支援の可能性
木村真樹(コミュニティ・ユース・バンクmomo代表理事)

個人から出資を集めてNPOやコミュニティビジネス実践者に融資している「コミュニティユースバンクMOMO」は、東海三県中心に活動し、出資者370名、融資が13件、3100万円の融資をしています。出資者のメッセージを融資先に伝えたり、個人からの小さな出資を受け付けるなど「つながりづくり」を大切にしながら、お金を通じて地域の点と点をつなげていく仕組みづくりを実践しているのです。ユニークなのは非資金的支援を大切にしているところ。日本では借金を隠す傾向がありますが、momoでは融資先をウェブやメディアで公開して営業をサポートしたり、融資者と出資者の新しいつながりをつくるために、対話の場や融資先訪問ツアーも企画しています。パワフルな若者主導の取り組みに力をたくさんいただきました!ぜひ各都道府県に一つずつこういったNPOが立ちあがってほしいです。

ライターから一言

取り組みに感動しました。新規事業するなら、モモに融資してほしいです。

キーワード

つながり、コミュニティビジネス、持続可能な小地域支援

基礎データ

活動主体 名前:コミュニティユースバンクmomo
形態:NPO、NGO(NPOバンク)
設立 設立者:木村真樹氏と仲間達
時期:2005年
場所:愛知県名古屋市
活動拠点 ・広域(2地域以上)
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・実践中
・ノウハウの提示ができている
・未来ビジョンの提起がある
テーマ ・金融システムへのチャレンジ
・持続可能な仕事の創造
・繋がり、地産地消
・遠隔地を含んだネットワーク

【学ぼう】エコビレッジに住むなら仕事も変えよう!農業に転職するために ~国内先行事例に学ぶ~ 小林一郎(環境ゼネラリスト)、柴山進(NPO法人アグリやさと代表)、鈴木さと子(オーガニックビジネスプランナー)

エコビレッジ的生活に移行するには、どうやって仕事を変えればいいのか?この問いの答えとして、新規就農者の定着率が高いと評されている、茨城県八郷町と埼玉県小川町の新規就農者受け入システムが報告されました。八郷町では新規就農者のほとんどが有機農業を志向することから、JA内に有機栽培部会を設立。そこで栽培技術のバックアップと販売援助システムを準備して、就農者受け入れを開始しているそうです。JAの取り組みなので地元の理解も深く、就農者の定着率の高さに結びついているようでした。有機農業推進モデルタウンのひとつに認定されている小川町からは、4年間かけて生産と販売の両面から研修を行う、株式会社風の丘ファームの取り組みについて発表がありました。質問タイムには、実際に就農を考える方々の手がたくさんあがり、農業を目指す人々の意欲の高さが見られました。

キーワード

専業農家、半農半X、新規就農

基礎データ

活動主体 JA有機農業部会、有機農業研究会、風の丘ファームなどの農業法人、または農家
活動拠点 ・農村
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) またがる地域:埼玉県小川町、茨城県八郷町
テーマ ・半農半X
・農村での取り組み
・持続可能な仕事の創造
・繋がり、地産地消
・その他(有機農業)

【はじめよう】マウイ島エコビレッジのコンセプトづくり ブラッドリー・ホール(エデンビレッジ開発ディレクター)

ブラッドリー・ホール氏はハワイのマウイ島で豊かな自然に囲まれた土地を購入し、パーマカルチャーの手法を取り入れた農場をデザインして、「ROOTS Maui」という小学生向けのフリースクールを開校しました。そこには、美しい風景、果樹や樹木、雨水や風力などの自然資源、学校というソーシャルネットワークの存在、地域行政との自由な関係などの強みがあります。そうした資源を生かしながら今後のエコビレッジ化をどう展開していけばよいかを、ワークショップ形式で参加者とともに考えました。子どもの教育とパーマカルチャーを結びつけたい人には、最適な題材。学校としての理念と実践についてももっと知りたいと思いました。

ライターから一言

SWOT分析というビジネス手法を使うのはそれなりに意味はあるけど、パーマカルチャーデザイナーっぽくない気がする。

キーワード

ソーシャルネットワーク、パーマカルチャー、子どもの教育、SWOT分析

基礎データ

活動主体 名前:ブラッドリー・ホール
形態:個人
設立 設立者:ブラッドリー・ホール
時期:2002年
活動拠点 ・農村
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・実践中
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) ・敷地面積:33,100㎡(1万坪)
テーマ ・パーマカルチャー
・地域づくり
・オルタナティブ教育
・教育(子ども対象)

【はじめよう】トランジション・ワークショップ 榎本英剛(トランジション・ジャパン共同創設者)、吉田俊郎(同団体 共同創設者)

日本では、2008年に3地域で始まったトランジション・タウンは現在、12地域に広がっています。まずは、始まったばかりの3地域から活動報告。行政と繋がるトランジション都留(山梨県都留市)、近所づきあいから始めるトランジションしたまち(東京都足立区・葛飾区など)、ママさんから繋がるトランジション多摩(東京都多摩市)で、それぞれが大事にしていることや取り組みについて聞いた後、トランジションタウンでよく使われている、オープンスペーステクノロジ―を使った話し合いをしました。これは、いくつかのテーマについて、テーブルを自由に行き来しながら議論をおこなう方法で、いろんな人が発言しやすいのが特徴。短い時間の中、エネルギーや地域、団体との繋がり方、地域通貨などについて、密度の濃い話し合いができ、会場は盛り上がりました。

ライターから一言

暮らしの中から繋がれることを再確認しました。

基礎データ

活動主体 名称:NPOトランジッションジャパン
形態:NPO、NGO/任意団体
設立 設立者:榎本英剛、吉田俊郎とパーマカルチャ―の仲間たち
時期:2008年
場所:神奈川県相模原郡旧藤野町
活動拠点 ・広域(2地域以上)
テーマ ・低炭素への取り組み
・代替エネルギー
・パーマカルチャー
・半農半X
・繋がり、地産地消
・地域づくり

【学ぼう】根源的な学びの場としてのエコビレッジ・デザイン・エデュケーション(EDE) 鎌田陽司(NPO法人懐かしい未来 代表理事)

「エコビレッジ・デザイン・エデュケーション(EDE)」は持続可能な社会への移行を学ぶ国連認証プログラム。参加・実習型のワークショップで、社会、経済、環境、世界観の4つを中心に、暮らし全体に関わることをホリスティック(包括的)に学ぶのが大きな特徴です。今年で2回目の開催になりますが、第1期修了生には、エコビレッジ国際会議でも登壇している、愛知のいるかビレッジプロジェクトや熱海のグリーンライフ・エココミュニティなど、具体的なエコビレッジ設立に向けて動き始めた人もいます。第1期修了生達は、一生付き合っていける仲間に出会えた、生活の何気ない一コマを仲間と共にわかちあえる喜びに出会えたという感想を話していました。世界的にダイナミックな展開を見せるEDEが、日本にホリスティック教育を広めるきっかけになってくれそうな予感がする発表でした。

キーワード

持続可能な暮らし、ホリスティック教育、こころ、人間関係

基礎データ

活動主体 名前:第二期EDE運営委員会
形態:任意団体
活動拠点 ・広域(2地域以上)
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・その他(プログラム開催予定)
テーマ ・代替エネルギー
・都市計画
・農村計画
・パーマカルチャー
・半農半
・農村での取り組み
・金融システムへのチャレンジ
・繋がり、地産地消
・地域づくり
・共同体の暮らし
・遠隔地を含んだネットワーク
・精神的なつながり重視
・教育(大人対象)
・その他(ホリスティック教育)

【住んでみよう】 神奈川藤野 人と環境と地域がつながる里山長屋暮らし 山田貴宏(ビオフォルム環境デザイン室代表)

パーマカルチャーでつながった4世帯が、環境と調和する住まいづくりを基本に、隣人同士のつながりをプラスした暮らしづくりを目指して取り組みを進めています。計画が進むうちに、なんと、設計者自らも一緒に住むことになったそうです。建設は地元の大工さん主導の下、竹の切り出し、竹小舞編み、土壁づくりなど、素人でできることはワークショップを開催して手づくりしています。2010年10月竣工予定。どんな暮らしになるのか興味津々です。

ライターから一言

夢のようで理想的なプロジェクトだと感じました。長屋っていいな~。家づくりのワークショップは参加者募集中。ぜひウェブサイトをチェックしてみてください。

http://blog.canpan.info/nagaya/category_4/

基礎データ

活動主体 名前:里山長家暮らし~藤野プロジェクト~
形態:個人
設立 設立者:パーマカルチャーつながりの友人達
時期:2008年
場所:神奈川県相模原市藤野町
活動拠点 ・都市近郊の里山
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・建築しながらワークショップを開催中
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) 参加人数:4世帯
敷地面積:761㎡(230坪)
テーマ ・個人の住まい(建築設計のプロの取り組み)
・パーマカルチャー
・繋がり、地産地消
・地域づくり
・共同体の暮らし

【住んでみよう】愛知にエコビレッジをつくろう!「いるかビレッジプロジェクト」 佐野和博(いるかビレッジコーディネーター)

いるかビレッジをつくっているのは、イルカマンこと佐野和博氏。豊橋の地主の家系に生まれた彼は、小さい頃からの里山風景が区画整理で都市へと変化していく様子をじっと眺めているうちに、不眠症になってしまったのだそうです。そして2年前、エコビレッジという言葉に出会いました。そしてEDE(エコビレッジデザインエデュケーション)に参加し、エコビレッジづくりを決意。以来、パーマカルチャーの手法による環境に配慮した分譲住宅と体験農園を組み合わせたコミュニティづくりに取り組んでいます。きっと、地方都市における持続可能な土地活用のモデルを創ってくれるでしょう。

ライターから一言

イルカマンさんのキャラクターが面白かったです!

キーワード

行きあたりバッチリ、笑顔が絶えないライフスタイル

基礎データ

活動主体 名前:いるかビレッジプロジェクト
形態:個人
設立 設立者:佐野和博
時期:2009年
場所:愛知県豊橋市
協力者:山田貴宏(ビオフォルム環境デザイン室)
活動拠点 ・農村の風土を残す地方都市
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・立ち上げたばかり
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) 敷地面積:約3000㎡(900坪)
テーマ ・個人の住まい(建築設計のプロの取り組み)
・パーマカルチャー
・共同体の暮らし
・その他(都市化が進む農村での取り組み)
・その他(新しい土地活用の創造)

【住んでみよう】静岡熱海 地域とともに歩む、グリーンライフエコミュニティの創設 加藤光昭((株)緑の大地代表)

海、山、畑、温泉の揃った豊かな環境の残る南熱海。そこで生まれ育った、カトミツこと加藤光昭氏は、エコビレッジ・コーディネーターという新しい役割の創造にチャレンジしています。それは、有機・無農薬の農業、木こり、天然酵母の石釜パン工房、手作りログハウスのカフェ、不動産業の実務経験など、自身がこれまで蓄積してきた財産をフルに活用して、持続可能な暮らしづくりのための場とノウハウを提供すること。森林、海、農地とそれにまつわるさまざまなノウハウを経験しているカトミツ氏は、エコビレッジづくりに必要な要素を多く合わせもっているようです。未来を切り拓くいろんな可能性を感じさせてくれる発表でした。

ライターから一言

夢のあるビジョン。うまくリスクを抑えて、実現可能な方向へ持っていっているなあと思いました。

キーワード

エコビレッジ・コーディネータ、コウ・ハウジング

基礎データ

活動主体 名前:加藤光昭((株)緑の大地代表)
形態:個人
設立 設立者:加藤光昭
時期:2009年
場所:静岡県熱海市
協力者:須賀亨(移住予定)
活動拠点 ・農山漁村混在地域
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・解決法の提案がある
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) ・参加人数:オーナー+一家族が移住予定
・敷地面積:約3000㎡(900坪)
テーマ ・低炭素への取り組み
・個人の住まい(個人の取り組み)
・パーマカルチャー
・持続可能な仕事の創造
・共同体の暮らし
・その他(農山漁村混在地域での取り組み)
・その他(新しい土地活用の創造)

【住んでみよう】五島列島エコビレッジ・大丈夫村!づくり 濱口孝(生涯現役・里山市民)、四井真治(ソイルデザイン代表)

長崎の約7000ヵ所の島で構成される五島列島は、過疎化が進み、九州の限界集落の半分を占めています。限界集落を元気な田舎に変えていく活動が続く五島列島で、昨年「五島ファンクラブ」が立ち上がりました。その活動の中心は福江島半泊集落。ここでパーマカルチャー講師の四井氏の協力の元、廃校になった小学校を田園風景が楽しめる自然ミュージアムに変身させて都市との交流を進めていくエコビレッジ構想「大丈夫村!」が動き出しました。ここには住民9人が住んでいますが、4人は新移住者です。島の外からきた新しい概念を古い暮らしにどう取り入れていくかは課題でもありますが、都市の人達と関わることで、島の人が自分たちの誇りや価値を再発見できるというメリットもあります。濱口氏や四井氏は都市と島をつなげながら、里山を学びの場として、パーマカルチャー的集落の再生にこれからも挑戦していくそうです。

ライターから一言

仕事も大学も何もない島の環境は、エコビレッジの原点を知るには最適の場。都市とつながるためには、ネット環境は欠かせないとも言っていました。

キーワード

パーマカルチャー的集落再生、限界集落

基礎データ

活動主体 名前:企業組合五島列島ファンクラブ
形態:企業組合
設立 2009年
場所:長崎県五島市戸岐町
活動拠点 ・農村
・その他(離島)
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・実践中
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) またがる地域:五島市戸岐町半泊分校周辺
テーマ ・パーマカルチャー
・農村での取り組み
・都市農村交流と地域再生
・地域づくり
・遠隔地を含んだネットワーク

【住んでみよう】静岡 命・自然の法則に従って生きる木の花ファミリー 古田偉佐美(木の花ファミリー創設者)

子どもから老人までの64名が数軒の家を利用して共同生活を送っている木の花ファミリー。有機農業でほとんどすべての食べ物を自分達でまかなう彼らは、「心を磨く」をキーワードに、物や心をお互いにシェアする暮らしを続けています。木の花ファミリーの活動の指針にあるのが「自然の摂理に従うこと」。問題は自分が引き起こしているもので、自分の中にある種を解決するために生まれてきていると考えています。だから問題は次の新しい世界をつくるチャンス。困ったことはひとつもない。こういった自然に即した暮らし方が人間の精神にもよい影響を与えることから、引きこもりや精神的なダメ―ジを受けた人達が療養に滞在することもあるのだそうです。血縁にとらわれない大きな家族の雰囲気が、個での暮らしに疲れた人達を勇気づけているのでしょう。木の花ファミリーの根強い人気の秘密は、このあたりにあるのかもしれません。

ライターから一言

木の花ファミリーのことは以前から知っていましたが、変化し続けていることに驚きました。

キーワード

自然の摂理に従う、血縁を越えた家族

基礎データ

活動主体 名前:木の花ファミリー
形態:農園、NPOなどの活動をしている血縁を越えた家族
設立 設立者:創設者:古田偉佐美氏と仲間19名
時期:1994年
場所:静岡県富士宮市
活動拠点 ・農村
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・実践中
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) 参加人数:約64名
またがる地域:静岡県富士宮市
テーマ ・農村での取り組み
・持続可能な仕事の創造
・共同体の暮らし
・精神的なつながり重視
・教育(大人対象)
・その他(多世代同居)
・その他(農業共同体)
・その他(エコビレッジサポートプログラム)
・その他(自然に即した暮らしと有機農業)

【住んでみよう】みろくビレッジ ~京都綾部での活動を経て~ 田中宏之(みろくビレッジプロジェクト事務局代表)

2008年秋に、木の花ファミリー、マルシェ(株)と田中宏之氏とで始まったみろくビレッジプロジェクト。京都府綾部市の市長さんから候補地を提案してもらい、行政とも密に話し合いながら事業計画書を提出。地元住民への説明会を何度も開催しました。しかし、最終的に住民の反対があり移住できなかったそうです。もうひとつの事例紹介は、長野県大町で立ち上げた虹のファミリー。こちらは、援農を通じて地域の方と交流が深まり、今では地元の方が応援してくださっているそうです。2つの事例を対比しながら、さまざまな学びを検証しました。みろくビレッジは残念な結果になりましたが、とても、意義のある発表で、好感が持てました。田中氏の誠実な人柄と取り組みは、今後の活動に生かされると思います。

キーワード

失敗から学ぶことの大切さ

基礎データ

活動主体 名前:みろくビレッジ、虹のファミリー
形態:個人
活動拠点 ・農村
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・みろくビレッジ=終了
・虹のファミリー:2人から4人に増えて進行中
テーマ ・農村計画
・農村での取り組み
・地域づくり

ビレッジホームズの開発手法を通して考えるこれからの理想のまちづくり 土谷貞雄(無印良品「くらしの良品研究所」研究員、建築家)

ビレッジホームズは、公園の中に家があるように緑豊かな美しいまちです。交通混雑と大気汚染、経済格差、オープンスペースやコミュニティの喪失などの都市問題を解決するまちづくりに向けてアワニー原則(宣言文)によって計画されました。それは、①コミュニティの原則、 ②リージョン(地域)の原則、 ③原則を適用するための戦略の4つからなっています。ビレッジホームズには、分散されたオープンスペース、クルドサック(車の行き止まり)による歩車分離、共有のブドウ畑、食べられる街路樹(果樹)、スウェイルによる排水計画、庭の小道など、多機能であって統一感のあるデザインになっています。住民間の交流はパーティをするぐらいでゆるやかな形でつながっています。不動産の価値は上がっていて、30年経った今もハードが生み出す力によってまちは美しさを持続しています。土谷氏からは最後に「社会の先進的な実践としてエコビレッジを社会のしくみへ翻訳していくのが起業人の役割であり、一緒に学んで伝えていくことが大事」というメッセージがありました。

ライターから一言

ワイン製造を近隣農家に低コストで委託していて、ぶどう畑の管理費は月1万円と安いのに驚きました。

キーワード

多機能で統一感のある緑豊かな美しいまちづくり

基礎データ

活動主体 名前:ビレッジホームズ
形態:企業/住宅の製作、販売、住宅地の運営を行う
設立 設立者:マイケル&ジュディ・コルベット
時期:1981年
場所:カリフォルニア州デイビス市
活動拠点 ・郊外型住宅開発
コミュニティ、またはプロジェクトの進行状況 ・ノウハウの提示ができている
コミュニティ、またはプロジェクトの規模(現在) 参加人数:240戸
敷地面積:68エーカー(27,500㎡)
テーマ 低炭素への取り組み
・代替エネルギー
・都市計画(住宅地のデザイン)
・パーマカルチャー
・地域づくり
*プログラム詳細は各タイトル右""をクリック